歴史からの発想  停滞と拘束からいかに脱するか 堺谷太一 日経ビジネス文庫


歴史をひとつの流れで見る好著。
随所に現代との比較があり、
筆者の歴史に対する考えがよく伝わってくる。


「歴史の読者は事件の結末を知っているが、
歴史の中に生きた人々はそれを知らなかった」


当たり前である。
でも、無意識のうちに、このことを忘れていたと思う。
歴史上の人物のいろんな行動を、その時点で考えてみれば、
一生懸命生きるだけだったのだと思う。


江戸幕府を倒せるなんて、そんな明白な証拠はどこにもなかった。
推測できる状況はあれども。
そう考えたら、歴史上の人物の行動により近づいていける気がした。


何一つ確実なことがなくても、
胸に描いた理想を基に、
緻密に実現して行った人々が確実に存在したのだ。


雑草のように生きていく。
除草剤をまかれても、そこからまた新しい芽を出していく。
地下茎のような強さを持ちたい。